里帰り出産は妊娠35週ごろまでに帰郷しましょう
里帰り先の病院への予約は済みましたか。できれば妊娠中期に一度帰郷し、里帰り先の病院で健診を受けたり、母親教室に参加しておくと安心です。妊婦検診に通っている病院には早めに伝えて、妊娠経過を記した紹介状を頼んでおきます。
できれば、妊娠9ヶ月のうちに、遅くても妊娠35週ごろまでには帰省しましょう。妊娠10ヶ月になると、妊婦健診は1週に1回になります。お産入院までに4~5回は健診を受けたいものです。
帰省する時の交通手段は、できるだけ短時間で済む方法で。パパの運転する車で帰る時は渋滞を避けて、無理のないスケジュールで帰りましょう。
おりものが増えたら注意を
普段よりおりものの量が増えたり、黄色みを帯びたりした時は、かゆみなどの症状がなくても早めに診察を受けましょう。細菌性腟症といって、とくに症状のないままに、居候のような細菌が増えていることがあります。細菌性腟症であっても、母体には何も困ったことは起きません。しかし、細菌が子宮のほうへ上がり、卵膜(赤ちゃんを包む膜)に炎症が起こると、破水して早産になる心配があります。早産の大半は、この細菌性腟症による卵膜の炎症(CAM)が原因とわかってきました。
最近は、腟分泌物の検査で細菌性腟症を早期発見したり、早産の兆候をいち早くキャッチする検査法ができるとともに、炎症を抑えて早産を防ぐための治療法もあります。細菌性腟症と診断された場合も、ママは必要以上に心配せずに、指示された治療をきちんと受けるようにしましょう。
母子感染の検査は積極的に受けましょう
お産の時にママから赤ちゃんに感染する可能性のある病気がいくつかあります。B群溶連菌(GBS)は100人中5~10人ぐらいのママに認められ、生まれた赤ちゃんに感染すると重症になる心配があります。クラミジア感染症も、産道で赤ちゃんに感染するとクラミジア肺炎を起こす可能性があります。
妊娠後期の妊婦健診では、以上のような母子感染の心配がある病気だけではなく、お産を視野に入れたいろいろな検査が加わってきます。たとえば、母体に出血傾向がないかどうか、新生児の頭蓋内出血、新生児メレナになりやすいかどうかのチェックなどがあります。また、超音波検査では、赤ちゃんの位置や姿勢(胎向)だけでなく、ママの子宮頸管が短くなっているかどうか(展退率)などを観察して、お産準備状態がどのぐらい整っているかを調べることもできます。
出産予定日が近くなるにしたがい、妊婦健診の回数が多くなることもありますが、ママと赤ちゃんを守るためなので、指示通りに受けるようにしましょう。