胎児の大きさ(妊娠35週末)☆身長/約47cm ☆体重/約2500g
頭を下にした姿勢に落ち着きます
妊娠28週ごろまでの赤ちゃんは、羊水の中でクルクル回転して、頭が上になるさかごの姿勢(骨盤位)になることもありました。しかし、妊娠30週ごろには、ほとんどの赤ちゃんは、頭が下になる頭位の姿勢に落ち着きます。ですから、さかごの診断がついたら、お産の対策について検討する時期です。
頭位に落ち着いた赤ちゃんには、子宮はかなり窮屈になります。羊水量も少なくなって運動が制限され、手やひじをムニュッと突き出したり、足やひざで子宮壁をポーンと蹴ったりの動きになります。胎動としては「赤ちゃんの足?ひじ?」と思わせられるような、モッコリとおなかが盛り上がったり、グニュグニュッとおなかの表面が波打ったり、おなかが部分的にかなり大きく動くようになります。胎動は赤ちゃんからママへ「元気だよ!」と知らせる便りです。1日に1回、安静にして、胎動を観察しましょう。赤ちゃんはおよそ20分おきに眠ったり起きたりしています。もし、30分以上も胎動が感じられなかったり、今までになかったような激しい動きを感じた時は、赤ちゃんからのSOSかもしれません。できるだけ早く診察を受けましょう。
皮下脂肪がついて顔がふっくらしてきます
赤ちゃんの体には皮下脂肪がついて丸みを帯び、顔もふっくらしてきます。全身をおおって羊水の刺激から守る働きをしていたうぶ毛が薄くなり、皮膚の色、爪の色にもつやが出てきますし、髪の毛や爪も伸びてきます。また、内性器、外性器ともに完成します。
妊娠37週未満のお産は早産ですが、妊娠34週ごろになると、赤ちゃんは外見的にも内臓などの完成度も、誕生後の赤ちゃんとほとんど変わらないぐらいまでに成長します。このため、妊娠34週以後であれば、たとえ早産で生まれても、ほぼ成熟児と変わらずに育つことができるようになります。
発育の個人差が大きくなります
妊娠34週ごろにはいつ生まれても大丈夫なぐらいまでに成長しますが、発育の個人差は大きくなります。この時期、赤ちゃんの発育を観察する方法はいくつかあります。
★推定体重
超音波検査で体重を推定します。大横径(頭の横幅)、腹部面積、大腿骨の長さを測って体重を推定します。子宮内胎児発育遅延が疑われる場合には、さらに詳しい検査をします。
★胎児評価
赤ちゃんが元気かどうかを調べることを「胎児評価」といいます。一番簡単で頼りになるのが、赤ちゃんの心拍数を調べる胎児心拍数モニタリングです。ママのおなかにつけたセンサーを分娩監視装置に連動して、心拍数を調べます。妊娠後期の妊婦健診では、NST(ノンストレステスト)といって、胎児心拍数と胎動、ママの子宮収縮を同時にモニタリングするようになります。