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Study + Senses

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*花鳥風月がない子どもたちの不幸

「いじめ」の問題も、自然に関係あるわけです。
中学生のときにいじめられた24歳の女の子が
当時の日記を『14歳の遺書』という本にしたんですが、
それを読んで、一番僕が驚いたのはそこに、
「今日、雨が降った」「雪が降った」「天気がよかった」という記述、
花鳥風月がいっさい、ない。
「私の言ったことに友達がこう反応した」「親がこう言った」
「先生がこう言った」「兄貴がこう言った」
と、全部人間の世界のことでできている。それはかわいそうなことです。
子どもにとって、自然の世界は一種の救いになりますよ。
人間の世界にくらべて、まったく中立ですから。


*人間の都合を考えない「自然」は逆に救い

今、「自然がいい」と言われてますね、「自然食品がいい」とか。
これはまったくの勘違い、自然も<いい><悪い>の両方がある。
自然は、そんな人間の都合なんて考えてませんから。
違う世界がもう一つある、そっちの世界から見たら人間の世界なんて屁(へ)みたいなものです。
宇宙の果てから見たら、ひとりひとりのなんとか、なんて馬鹿みたいですよ、
時間的にも空間的にも。
われわれが見てる星だって、何億年も前の光なんだ、とよく言うでしょう。
そう思ったら、人間の一生なんて、屁みたいなものかもしれない、
それがないと逆に救いがないんです。。

*セミが鳴いたら孫が泣く!?

正月に僕の医学の後輩が家に来たんだよね。
子どもが3人いて、一緒に連れてきたのが大騒ぎしている。
それを見て、家の娘が「子どもをもってもいいな」と思ったって言うんですよ。
ごく素直に育ったふつうの子ですよ、だけど確信がないんだね、
自然のものって見たことないんだ、あんまり。

僕の中学時代の同級生の息子夫婦が、夏に子どもを連れて田舎へ
来たときに、庭でセミが鳴いたら子どもが泣き出したっていうんだね。
冗談じゃない、セミが鳴いたら孫が泣くって。
しょうがないから、連れて歩いて、今一緒にセミを採ってるって。(笑)。
まずそういう状況でしょう、僕らのときには当たり前だったのが
当たり前じゃなくなっている。


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