産後1年をきっかけに産科を受診しても
妊娠中や出産時にトラブルを経験したママや、心臓病、腎臓病などの合併症妊娠・出産の場合には、産後1ヶ月の健診後も、継続して定期検診を受ける場合があります。子宮筋腫や卵巣嚢腫など、婦人科トラブルを合併しての妊娠・出産の場合も同様です。
育児が忙しいとおろそかになりがちですが、産後の定期検診を指示された場合には、必ず診察を受けるようにしましょう。
産後1年間は、広い意味での産褥期(さんじょくき)です。妊娠中や出産時にとくにトラブルのなかったママも、赤ちゃんが満1歳の誕生日を迎えるのを機会に産婦人科で体調チェックを受けるといいでしょう。
まれとはいえ、20代、30代のママも子宮頸(けい)ガンになる可能性があります。10代のママもならないとは限りません。1年に1回は子宮ガン検診を兼ねて、婦人科の定期検診を受けるのが理想的です。
産後健診で「順調」といわれたママも、月経のことやおりもののことなど、聞いておきたい気がかりがあるかもしれません。避妊方法のこと、次の子の妊娠の時期などを、健診を機会に何でも相談しておくと安心です。とくに、不妊治療を受けて妊娠したママの場合には、次の妊娠を希望するなら、治療について早めに相談しておくといいでしょう。
育児休業中のママはウォーミングアップを
1年間の育児休業をとって元の職場に戻るママ、妊娠・出産を機に退職し、改めて求職活動を始めるママもいるでしょう。仕事の再開に向けてウォーミングアップを開始する時期ですね。
まず、ママの体調はどうでしょう。仕事、育児、家事が重なると、想像以上に体力を消耗するものです。睡眠、食事、運動を中心に、規則正しい生活を心がけて体力づくりに精を出しましょう。
仕事の内容にもよりますが、1年間のブランクを埋める準備を始めましょう。男女雇用機会均等法が施行されたとはいえ、現実の職場では、ブランクを理由に大目に見てもらえるわけではありません。職業人として、仕事のカンを取り戻すように努力しましょう。
この1年、赤ちゃんと密着して過ごしたのですから、離れがたいし、寂しい気持ちに襲われているママもいるでしょう。でも、育児は長距離マラソンです。長い時間一緒にいることだけが、赤ちゃんへの愛情表現とは限りません。一緒に過ごす時間が短いからこそ、精一杯、育児を楽しめるメリットもあります。
育児は、赤ちゃんという幼い人格を、人生の先輩である両親がゆっくりと育むことです。仕事に復帰することで、ママの人間性を豊かに醸成しながら、赤ちゃんと向き合えるといいですね。