悪露(おろ)の変化が子宮回復の目安です
お産直後の子宮は大きくておへそのあたりまでありますが、じょじょに小さくなり、産後3~4週間ぐらいで妊娠前の状態に戻ります。
子宮回復の目安になるのが、後陣痛(こうじんつう)と悪露です。
後陣痛は子宮が元に戻ろうとして収縮する痛みです。痛みが強いのは産後1~2日で、それ以後は軽くなりますが、個人差があり、母乳育児のママや経産婦のほうが強く感じます。
出産時には子宮壁の胎盤が剥がれたところや産道に傷がつきます。悪露はここからの出血や子宮の脱落膜、リンパ液などが混じったもの。出血量が多い間は、悪露の色は赤く、出血量が少なくなるにしたがって赤から褐色、褐色から茶色、茶色から黄色というように、じょじょに色が薄くなっていきます。
悪露の色や量は子宮回復の重要な目安です。普通、産後3~4週間ぐらいで、色のつかない透明なおりものになりますが、赤い悪露が続いたり、発熱や腹痛がある時は、早めに診察を受けましょう。産後健診で順調に子宮が回復しているといわれたら、まず心配ありません。
体調に合わせて産褥体操を始めましょう
お産入院中は、早期離床といって、できるだけ早く体を動かすほうがいいのです。体を動かすと子宮収縮が促され、出血量も少なくなります。普通、正常分娩のママは産後6時間ぐらいたったら、積極的に歩くように指導されます。帝王切開のママは医師の指示によりますが、1~2日目から歩行許可が出るでしょう。また、ベッドで安静にしている間も、足先をできるだけ動かすようにします(血液の固まりができる血栓症を防ぐためです)。
ほとんどの病院で、お産入院中に産褥(さんじょく)体操を指導してくれます。退院後は、テキストを元に積極的に実行するといいでしょう。帝王切開のママは、普通、正常分娩のママより1週間ぐらい遅いペースになりますが、退院時に医師の許可を受けてから始めましょう。
スキンシップを通して育児の自信を育みましょう
赤ちゃんを抱いたり、母乳やミルクを飲ませたりのスキンシップを重ねるうちに、赤ちゃんを育てる自信がついてくるものです。カンガルーは、産後1年ぐらいの間、赤ちゃんをおなかの育て袋の中に入れて育てますが、人間のママも、いつも赤ちゃんとぴったり寄り添って暮らすうちに、子育てへの自信が生まれてきます。
とくに最初の1ヶ月間は、ママは授乳と赤ちゃんとのスキンシップだけに集中できるのが理想的です。ママがゆったりした気持ちで赤ちゃんを抱いたり、授乳したり、あやしたりできるように、パパや家族が、家事の大半を担ってくれるといいのですが……。
核家族で家族の助けが無理な場合には、家事はできるだけ省略して、赤ちゃんとのふれあいを最優先にするようにしましょう。