身長・体重のめやす
正期産(せいきさん)で生まれた赤ちゃんの場合、平均出生体重は約3kg、身長は約50cmですが、もちろん個人差があります。生後3~5日の間は生理的体重減少といって、一時的に200~300gぐらい体重が減りますが、1週間くらいで出生時の体重に戻ります。その後は1日に25~30gぐらいの割合で体重が増えていくことが多いでしょう。
誕生後しばらくの間は、赤ちゃんにとって外の世界に適応する重要な時期です。このため、生後4週間を新生児期とし、この時期の赤ちゃんを新生児と呼んで、とくに注意深く世話をする必要があります。赤ちゃんの抱き方や母乳の与え方、ミルクの作り方をはじめ、オムツの替え方や着替え、沐浴(もくよく)の手順など、基本的な世話の仕方はお産入院中に指導されますから、退院後はその注意を守りましょう。
飲んで寝て、飲んで寝て…
約2~3時間おきにおっぱいを飲んでは眠り、また起きて飲んではウトウトする……。これが新生児期の赤ちゃんのお仕事!
この頃の赤ちゃんは1日のうち16~20時間は眠るといわれるぐらいに、昼夜の区別はほとんどないまま、1日の大半を眠って過ごします。ただし、睡眠は小刻みで1回の睡眠時間は多くても2~3時間ぐらい。夜中も、泣いて起きてオムツを替えてもらい、おっぱいを飲んで眠るの繰り返しなので、ママも長くは眠れません。ママも、赤ちゃんと一緒に寝て起きる生活リズムで過ごすといいでしょう。
泣き声はママへのメッセージ
赤ちゃんが目をさまして泣くのはほとんどの場合、おなかがすいた時やオシッコやウンチをして不快な時です。まず、オムツを見て汚れていたら取り替え、母乳やミルクを与えましょう。その他に暑い、寒い、眠いのに眠れないなどの不快なことや、物音に驚いたり、抱っこしてほしいなどの感情や欲求を、泣いて知らせることもあります。また、肌がかゆい、衣服がきついなどのSOSのこともありますから、赤ちゃんの皮膚をよく観察してあげることも大切。
よく泣く赤ちゃん、あまり泣かない赤ちゃんの個人差がありますし、普段はほとんど泣かない赤ちゃんも、日によってよく泣く日もあるでしょう。泣き声は赤ちゃんからママへの大切なメッセージ。まずは、赤ちゃんをママの腕の中にしっかりと抱きしめ、赤ちゃんの目を見つめながらあやしてあげましょう。音を聞く力は、生まれてすぐの赤ちゃんにも備わっていますし、物を見る力もあります。ただし、視力は0.1ぐらい、視野が非常に狭くて、目から30cmぐらいのところに焦点が合う程度です。つまり、抱いてもらった時にちょうどママの目にピントが合うようになっているのですね。
育児に慣れない新米ママも、赤ちゃんを抱いて目と目でコンタクト(アイツーアイコンタクト)をとるうちに、赤ちゃんが何をして欲しいかがだんだんにわかってくるでしょう。