胎児の大きさ(妊娠3週末)☆大きさ/約1mm
卵子と精子の受精物語
卵子は、私たちの体をつくっている細胞の中で、いちばん大きい細胞です。さて、普通は1個の精子が1個の卵子に受精しますが、受精場所の卵管まで到着できる精子は、腟内に射精された精子の100万分の1! しかも、1個の卵子に100個もの精子が同時にアタックして、その中のたった1個の精子が卵子の中に進入できると、初めて受精が成立します。
この1個の精子、実はとても要領のいい賢い(ずるい?)ヤツらしい……。いくつもの精子が卵子にアタックして入り込めずにつくった進入経路に、後からヒョイと入り込むのです。ですから、受精精子は、1億個もの射精精子のうち、たった1個だけ生き残った精鋭の勇士であり、同時に一番要領がいいともいえそうです。
赤ちゃんはまだ胎芽(たいが)の時代
妊娠1ヶ月は、妊娠3週までを指しますが、月経中と妊娠1週にはまだ赤ちゃんはいません(この不思議は「ママの身体」のページを参照)。妊娠1週は赤ちゃんの素である卵子が発育中の段階です。妊娠2週は受精卵ですし、妊娠3週になってやっと子宮内膜に着床します。
ですから、妊娠1ヶ月では、おなかの赤ちゃんはまだ「胎児」と呼んでもらえず、「胎芽(たいが)」と呼ばれます。タツノオトシゴみたいな形をしていて、人間の赤ちゃんの姿になっていないからです。妊娠7週までは、赤ちゃんは胎芽の時代。妊娠8週になると晴れて、胎児と呼んでもらえるようになります。
妊娠3週の赤ちゃんはわずか1mm!
このころの赤ちゃんの大きさはわずか1mm。ちっちゃいですね! でも、受精卵の大きさは0.1mmぐらいなので、これでも2週間ぐらいの間にずいぶん大きくなったことになります。
このころの赤ちゃんは長い尾やエラがあって、とても人間の赤ちゃんとは思えない形をしていますが、魚類、両生類、爬虫類(はちゅうるい)、哺乳類(ほにゅうるい)、そしてヒトへと生物進化の過程を一気にたどり、妊娠7週ごろには人間の赤ちゃんの姿へと成長します。