胎児の大きさ(妊娠39週末)☆身長/約50cm ☆体重/約3100g
4頭身になり、顔つきもふっくらに
妊娠39週になると、頭と身長の比率は4分の1になって4頭身になります。身長は約50cm、体重は約3100gになるとともに、内臓の働きを含めて、外界の生活に十分適応できるまでに成熟します。
赤ちゃんが外界に適応できるように成熟しているかどうかは、体重増加など体の発育と合わせて、体の機能の成熟度が重要です。とくに、誕生と同時に肺で呼吸ができること、体温を調節して一定に保つことができることなどが、成熟児の条件です。一般的に妊娠35週を過ぎて、かつ体重が2500gを超えると、ほぼ成熟しているといっていいでしょう。
「大きくなりすぎるのは困る」赤ちゃん
妊娠36週ごろになると、赤ちゃんの膵臓(すいぞう)の働きが成熟して十分な量のインスリン(血糖値を調整するホルモン)を分泌しはじめます。ママがこの時期にたくさん食べて高血糖になると、赤ちゃんも高血糖になり、インスリンをたくさん分泌します。過剰に分泌されたインスリンの成長促進因子の作用で、赤ちゃんは一気に太る可能性があります。
赤ちゃんが大きくなりすぎると難産になりやすく、お産が長引くと赤ちゃんが苦しくなる(胎児仮死)心配もあります。ママはこの時期くれぐれも過食にならないように注意しましょう。
赤ちゃんは生まれる直前まで動いています
受精から266日目が、赤ちゃんの誕生予定日!
まるまると大きくなった赤ちゃんの多くは、頭を下にした姿勢で子宮の中で窮屈に手足を曲げています。苦しくないか心配になりますが、窮屈なりに赤ちゃんは最も居心地のよい姿勢に落ち着いています。自由に遊泳していた時にからまったのでしょうか。首や体に臍帯(さいたい)を巻き付けている赤ちゃんもいます。カラードップラーという超音波検査では、臍帯の血液の流れを観察できます。からまっていても臍帯にはきちんと血液が流れて、酸素や栄養が赤ちゃんに届いているのがわかれば安心できます。あわせて、出産の時には、赤ちゃんはママの子宮の中にいたそのままの姿勢で生まれてくるのが最も安全ということがわかっています。つまり、狭い子宮の中でかなり窮屈でも、赤ちゃんにとっては安全で心配のない姿勢というわけなのです。
また、赤ちゃんはどんなに窮屈でも、ムギュッムギュッ、モジモジと体を動かしています。胎動はかなりおおまかな動きになり、胎動が鈍くなったと感じるママもいますが、赤ちゃんは生まれるまで動いています。赤ちゃんは胎動によって「元気!」とママに知らせています。もし、いつもと違う感じがしたり、ピタッと動かなくなったような時は、すぐに診察を受けましょう。