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答えはできないことの前にある。できることから克服していこう。
こういうことは、いろんなスポーツにもあります。野球のマウンドで、指導者にこういうふうにボールを投げなさいといわれても、なかなか投げられない。そういう選手に、たとえば投げ方ではなくて、立ち方を変えて指導して見る。するとすんなり、いわれた投げ方ができることもあるんです。つまり、できないことの手前に答えがある場合もあるんです。
この子にどんな準備をしてあげられるかを考えてみましょう。
自転車がこの子の体に合ってないということはありませんか。自転車が小さすぎたり、大きすぎたり。またハンドルの位置、ペダルとサドルの位置関係を変えてみるのもいいでしょう。ハンドルをどうやってもっているかによって、腰の位置も決まってくるので、その持ち方を変えてもいい。
物事ができる最大の楽しさは、克服にあります。ですから、この場合は段階を踏んで克服させていきましょう。まずは座って地面をダブルキックしながら前に進む。脚を地面からはずして何秒キープできるか――。
親子ともに、すぐできることをよしとすると、できないことはとたんにネガティブになります。ですから、結果を急がず、まずできることは何か。ひとつひとつ克服していく喜びを重ねていけば、最終的には必ず乗れるようになります。
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