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体にいいというより、これはしつけ。他人を意識できる年齢ならいいでしょう。
茶道や華道といったものは、体にいいというより、小さい頃から習わせるならば、しつけという要素が大きいでしょう。どこまでのレベルを求めるかにもよりますが、やらせて悪いことはひとつもない。これも相手の存在の意識が出てきたらやらせるといいのではないでしょうか。
僕も3歳から、落ち着きがない、と茶道をやらされたんですが、和菓子を食べて終わっただけでしたね。習字もやりましたが、なにせじっとしているのが嫌いでしたから、何枚書けばいいの? ってさっさと書いて終わらせていました(笑)。でも、こういった目的を持って大人と関わりあっていくなかで、やはり作法を通して礼儀や日本特有の文化を学んだと思います。茶道や華道、習字といったものは、「道」すなわち、あり方を学ぶものです。
スポーツにも「道」がつくものがありますよね。たとえば剣道、柔道といった武道です。これは「個」のスポーツで、ここでも体を動かすことだけでなく、礼儀や作法を重んじて、これを習います。僕は剣道を小さい頃にやったんですが、剣道がうまくなったかどうかというより、いろんな大人に接したり、自分の年下の人もいたりするなかで、上下関係を通して、礼儀や作法、そして個人としての精神道、つまり人としてのあり方を学びました。
武道に限らず、じつは野球やサッカーでも「野球道」「サッカー道」というものがあります。団体競技では、チームワーク、つまり集団としてのあり方を学びます。つまり、スポーツを含め、人と交わってさまざまな体験をすることは、そこにルールがあり、それを守りながら礼儀、作法、精神といった「あり方」を学んでいくことなんです。
このときもっとも大切なのは、いかに教わったことを素直に聞けるかなのです。僕は、スポーツにおいて上達できるか否かの最大のポイントは「素直な子かどうか」だと思っています。まだ知識も経験も少ない子どものうちは、とにかく大人のいったことをまず素直に聞いて、それをやれること。そのさまざまな体験、知識の積み重ねを通して、やがていろんなことに気づき、自分で考えるという成長をしていけるのだと思います。
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