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遊んでいる様子をよく観察すること。 身体能力よりもその子の興味を尊重しよう。
勘違いしやすいのは、もともとの体の柔軟性、強度などの身体能力や、水が怖いなどといった環境によってできた心理要因で、親が決め付けてしまうことです。たしかに、体の柔らかい子というのは、どんなスポーツにも適合しやすいですし、もともと水に対して恐怖心がないという子は水泳を始めやすいでしょう。
しかし、こうしたことは、あまり重要ではありません。たとえば小さい頃、水が怖いと言っていた子も、小学校に入ったら、仲のよい友達が水泳を習っているからと一緒にやってみたらその子より上達してしまった、ということはよくあることです。もともと体が硬いという子も、体の使い方を変えればいくらでも動きがよくなります。ですから、どんなスポーツが合うかは、小さいときの身体能力などではなく、やはりその子がどんなことに反応し、興味があるかなんです。
まずは、子どもが遊んでいるところを客観的によく観察することですね。さきほども言いましたが、スポーツは遊びにルーツがある。ですから、その子の遊び方というのは、そのままスポーツに反映するんです。何に興味があるのか、どんな反応をするのか。どんな入り方をするのか。一人で黙々と絵を描いて遊んでいる子もいれば、人とボールを投げ合って遊ぶ子もいる。おもちゃはすぐ人に譲ってしまうのに、かけっこになると絶対譲らないという子もいるでしょう。ふだんすごく威張っているのに、みんなで走ると、ゴールでみんなを待っていたりする子もいる。遊びの中のリアクションというのは、じつにさまざまです。
そのリアクションを見ていると、個人競技がよさそうだ、団体競技があっている、球技がいい、格闘技がいい、または競技性のないバレエがいい、とわかってきます。スポーツがあっていない場合もあるでしょう。でも親が決め付けることはよくないですね。何でもやらせてあげることです。
サッカーごっこ、野球ごっこ‥‥。その中で、子どもが一番興味を持ったものをやらせてあげることです。身体能力に関係なく、興味を持っているものに対して子どもの能力は向上していくんですから。
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