生活習慣のしつけは急がずゆっくり
生活習慣の基本的なしつけをする時期です。顔を洗う、おふろで体を洗う、歯をみがく、洋服を脱ぐ、着る、一人でごはんを食べる、一人で眠ることができるなど、基本的な生活習慣の大半を自分一人でしたがりますし、できるようになってきます。ただし、2歳児はまだ、「できるつもり」「できるはず」と自己中心的な行動が主です。いざ一人でやると失敗が多いのですが、失敗は成功の元です。実際にさせないと上達もしませんね。できるだけ一人でさせること、いらいらせずに待つこと、ときどき手を貸しながらおおらかに見守る余裕をもつことが大切です。
食事の前には「いただきます」、後には「ごちそうさま」などのあいさつもできるようになってきます。でも、どんなあいさつも周囲の大人のリードがあって初めてできます。「子は親の鏡」といいますね。ママや周りの大人は、「いただきます」「ごちそうさま」と実際に声に出して、態度で表してお手本を示しましょう。
ただし、子どもの成長や、トイレトレーニングをはじめとする生活習慣の自立には、大きな個人差があります。器用な子と不器用な子、行動がのんびりしている子とすばしっこい子、人見知りが強くて気持ちはあってもあいさつのできない子、愛嬌のいい子など、本当に個性があります。くれぐれも、他の子どもと比べずに、我が子なりの成長を見守り、おおらかに焦らずにつきあっていきましょう。
甘えたい時に十分に甘えさせてあげましょう
3歳未満の乳幼児では、いつも誰かが(とくにママが)温かく見守っているという安心感をもたせることが、成長のための栄養です。ですから、物の名前を暗記させたりの知の脳(IQ)よりも、情緒が安定する感情の脳(EQ)を育むように努力しましょう。
子どもの安定した情緒は、ママやパパ、周囲の大人の温かい愛情に支えられて発達していきます。「イヤ!」を連発する自我が発達する一方で、怖い時、不安な時、おなかがすいた時、眠い時などにはママに甘えてきます。とくに病気になると、甘えは強くなりますし、下に弟や妹が生まれると、赤ちゃん返りをして親の愛情を確かめようとします。子どもなりに心身のSOSを発信している甘えに対しては、突き放さずにやさしく受け止めてあげましょう。
「三つ子の魂百まで」といいますが、いつも自分を守ってくれるママがいると心の底から安心できると、自分に自信をもつことができ、同時に、他人を思いやる豊かな人間性が育っていきます。
しかし、おもちゃがほしい、お菓子がほしいとダダをこねた時に買い与えていると、泣けば要求が通り、自分の欲望がかなえられると思い込みます。欲望をコントロールできる子どもになるように、きちんと「ノー!」といえるママになりましょう。