社会性が発達し、友達と遊べるようになります
2歳の後半になると、運動能力は一層発達して、歩くのも走るのも自分の思いのままにできるようになります。手を使わずに足だけで階段を上ったり降りたり、両足でピョンピョン飛びながら前に進んだり、両手で鉄棒にぶらさがったりできるようになります。
運動能力に知的な発達が加わるので、いろいろな遊具を想像力豊かに使いこなせるようになります。たとえば積み木やブロックで家や飛行機を作ったり、トンネルを作っておもちゃの電車や自動車をくぐらせたりして遊びます。
言葉と知的発達、社会性などの発達が組み合わされてきますから、友達と会話しながら、一緒に遊ぶことができるようになります。「自分」を認識できるようになり、自分のことを「ぼく」とか「わたし」と一人称で呼ぶことができるようになって、「ぼくもする」などと言って、友達と一緒に遊べるようになります。まだ、遊びを作り出してリードすることはできませんが、年上の子どもたちが作る遊びの輪の中に参加できるようになってきます。
記憶力が早いスピードで発達します
2歳児は記憶力が早いスピードで発達する時期です。公園に行くと、いつも出会う子どもを探したりします。犬にほえられて泣いた所へ来ると、キョロキョロして怖がったりします。
昨日、今日、明日の区別がだんだんにつくようになって、「昨日、電車に乗ったね」などと話します。「昨日」のことを「今日」とか「明日」と間違うこともよくありますが、自分のことを一人称が言えるようになったのと同様に、記憶と知恵と言葉が合体して、「時」を表す言葉が理解できるようになってきたのです。
記憶力の発達に伴い、覚える言葉の数は飛躍的に多くなりますし、「○○へ」「○○を」などの助詞や副詞を使えるようになってきます。でも、よい言葉も覚えますが、悪い言葉も覚えます。大きい子どもたちが、「ババア」と言うと「ババア」と覚えます。大人が「バカ」を頻繁に使うと、何でも「バカ、バカ」と連発するようになります。まだ言ってもいい言葉、悪い言葉の区別がつかないので、公園でいきなりよそのママを「ババア」と呼んだりします。2歳児がチビッ子ギャングと呼ばれる理由です。
「公園に行こう」とせがんだ時に、ママが「洗濯物を全部干したら行こうね」などと言うと、我慢して待つ力がついてきます。でも、記憶力が発達した分だけ、ママとの約束はちゃんと覚えています。ママの手をつかんで玄関に引っ張って行きますし、ママが「忘れたかな?」と洗濯を干した後で他の家事をしようとすると、泣いて怒って抗議します。口先で「ウンウン、行こうね」とうなずくだけの「だまし」や「引き伸ばし」のテクニックは通用しなくなってきますから、約束はきちんと守るようにしたいものです。