海の向こうを見渡してみれば、こんなに違う!妊娠、出産、育児事情。
各国で暮らす日本人ママのレポート!!
デンマーク 「世界一幸せな国」は子育てしやすい!?(全4回更新)
Episode2 デンマークの子育て事情
~赤ちゃんは冬でも外でお昼寝が基本~
オススメは完全母乳
子育ての最初のステップは、母乳育児を軌道にのせること。デンマークでは、栄養や利便性の観点から、できる限り完全母乳を勧めています。そのため、何らかの特別な理由がない限り、完全母乳で育てるママが圧倒的多数です。私は産後に全く母乳が出なかったのですが、看護師さんのサポートで、諦めずに母乳育児に挑戦しました。結局、約1週間後に母乳が出て、その後は完全母乳で育てることができ、看護師さんに感謝しました。何と言っても、完全母乳はラクですね!
真冬でもマイナス10度までお昼寝OK
赤ちゃんがお昼寝中のベビーカー。
デンマークでよく見られる光景です。
赤ちゃんがお昼寝中のベビーカー。
デンマークでよく見られる光景です。
離乳食は手作りが基本
生後4~6ヶ月で離乳食を開始します。離乳食は手作りが基本。私が参加していたママ会には、ベビーフードでラクに済ませているママはおらず、私は感心してばかりでした。離乳食の初期は、オートミール、じゃがいも、人参をすり潰したものがよく用いられます。また、離乳食の後期にはパンも食べさせるのですが、わざわざ自家製パンを焼くママが少なくないことに驚きました。パンを手作りする理由は、市販のパンには塩分や糖分が多く含まれているからだそうです。
サプリメントでビタミンDと鉄分を摂取
赤ちゃんはサプリメントとしてビタミンDと鉄分を摂取するように勧められます。暗い季節が長いデンマークでは、日光を浴びる機会が少なく、ビタミンDが不足してしまうのだそうです。また、鉄分は食事から摂取しにくいため、サプリメントで補充することを勧められます。が、ビタミンDはいいのですが、鉄分のサプリメントというのが究極にまずいのです。あまりにまずくて、離乳食の進み具合に支障をきたしたので、我が家では途中で摂取をやめさせてしまいました。このまずさ、どうにかならないのでしょうか…。
1歳前から保育園開始。保育園は社会性を育む場
ちょうど夫婦の育児休暇が終わる前、子どもが1歳になる前に、保育園を開始するのが主流です。デンマーク人は夫婦共働きなので保育園が必須です。けれど、仕事を理由に仕方なく保育園に預けているという感覚はありません。むしろ、好奇心旺盛な子を家庭に閉じ込めておくのは可哀想と考える人や、保育園は子どもの社会性を育てる場と考える人が多いです。開園時間はたいてい6時半~17時で、お迎えのピークは0~1歳児で15時頃、2歳児以上で16時頃です。大人の都合だけではなく、子どもにとってプラスになるように積極的に保育園を活用している雰囲気があります。
生活リズムを整えて、自然のなかで伸び伸びと
子どもは自然のなかで伸び伸びと。
自家栽培のえんどう豆をパクリ。
子どもは自然のなかで伸び伸びと。
自家栽培のえんどう豆をパクリ。
2014年1月28日更新
針貝有佳(はりかいゆか)
ライター/トランスレーター
1982年生まれ。東京都の高円寺出身。「世界一幸せな国」に関心をもち、早稲田大学大学院(社会科学研究科)にてデンマークの労働市場政策を研究して修士号取得。その後、デンマーク人の夫と結婚し、2009年12月よりデンマークの首都コペンハーゲン在住。2012年1月に娘の仁菜(にな)を現地で出産し、ただいま子育て真っ最中。ライターとして、ウェブや雑誌などからデンマーク情報を発信しているほか、翻訳(デンマーク語→日本語)やリサーチの仕事もしている。
地球の歩き方・コペンハーゲン特派員ブログ:http://tokuhain.arukikata.co.jp/copenhagen/