海の向こうを見渡してみれば、こんなに違う!妊娠、出産、育児事情。
各国で暮らす日本人ママのレポート!!
マレーシア 多様性溢れる子育てしやすい国(全4回更新)
Episode3 マレーシアの子育てサポート制度
~期待される女性の労働力~
育児制度はまだまだでも
マレーシアでは出産休暇として、女性従業員は連続で60日間以上の出産休暇を取得する権利があり、出産手当が支給されます。取得できる日数、出産手当の額、その他のサポートの有無は会社により異なり、日本のように1歳までの育児休業はありません。父親が育児休業を取得する権利を義務付ける法律もありませんので、法的な育児支援はまだまだ発展途上といえます。しかし、出産後わずか2、3ヶ月程で復職する女性がたくさんいます。
都市部に住むローカル家庭に限っていえば、共働きが主流。保育園が充実していて、職場の理解が高く、両親ともに定時で就業できる人も多いことなどが、出産後も多くの女性が働き続けることができる背景といえそうです。マレーシアでは、家計的にも女性の労働力が期待され、女性の働く意識も高いよう。私の主人の会社でも、多くの女性が男性同等の専門職につき、結婚や出産後も働き続けているといいます。何よりも日本と違うと感じるのは「結婚、出産したら家庭に」という概念がそもそもないこと。特に中国系の女性は優秀かつエネルギッシュで「男性に頼るよりも私が稼ぐわ」という意気が高いのだとか。
家族みんなで通学・通勤!
保育園の充実は職場復帰の鍵。復職率の向上は育児休業の長短の問題ではない!?
時間を合わせて、家族みんなで通学、通勤する。ちょっと不便なこんな毎日が家族の結びつきを強めてくれるのかもしれません。
保育園の充実は職場復帰の鍵。復職率の向上は育児休業の長短の問題ではない!?
ユニークな出産後ケア、産褥アマさん
週末にショッピングセンターの子ども向け施設で行われた誕生日会。ナーサリーの仲間が集まり、普段仕事で忙しく顔を合わせることが少ない親同士の交流の場にも。
とはいえ、産後ケアの考え方は文化や慣習の違いが大きいもの。産褥アマさんはプロ意識が高く、結構スパルタな人も多く、毎食の生姜料理やシャワーの制限、新生児のお世話の仕方などを巡って、ヘトヘトになってしまうママも少なくないようです。
週末にショッピングセンターの子ども向け施設で行われた誕生日会。ナーサリーの仲間が集まり、普段仕事で忙しく顔を合わせることが少ない親同士の交流の場にも。
2013年7月5日更新
わだまきこ
トランスレーター/ライター
1977年静岡県生まれ。早稲田大学大学院(教育学)修了後、大手渉外法律事務所の秘書、翻訳会社勤務を経て、第一子出産を機にフリーランスで翻訳、執筆活動をスタート。2012年夏より夫の転勤に伴い、長男(しゅんたろう 3歳)、愛犬(はな6歳)と共に、マレーシア・クアラルンプール在住。マレーシア国立博物館日本語ボランティアガイド。現在、第二子妊娠中で現地にて出産予定。