海の向こうを見渡してみれば、こんなに違う!妊娠、出産、育児事情。
各国で暮らす日本人ママのレポート!!
マレーシア 多様性溢れる子育てしやすい国(全4回更新)
Episode1 マレーシアの出産事情
~出産スタイルも多種多様!?~
こんにちは。マレーシア在住のわだまきこです。マレーシアはマレー系、中国系、インド系を主要民族とする多民族国家ですが、私が住むクアラルンプール には、さらに欧米、中東、アジアなどからの外国人も数多く、本当に多種多様の文化が混在しています。毎日5回、礼拝の時間を知らせるアザーンが流れるれっきとしたイスラム国家ながら、各民族の宗教や慣習の自由が認められている、柔軟で不思議な国。教育でもその特徴がみられ、例えば公立小学校はマレー語で教えるマレー系学校、中国語で教える中国系学校、タミル語で教えるタミル系学校の3タイプで、各民族のアイデンティティを尊重した教育システムになっています。
私は夫の転勤に伴い、2012年夏から当時2歳の息子と愛犬連れでマレーシアでの生活を始めました。訪れたこともなく、知識もありませんでしたが、学生時代に知人から「マレーシアは多民族国家で子育てしやすい国だよ」と聞いたことがあり、その一言に期待を寄せて、この地にやってきました。そんなマレーシアでの子育ては如何に!?
ただ今第二子妊娠中で2013年8月末に現地出産予定。赤道直下の常夏マレーシアより、出産・子育て情報をお届けします。
子ども好きな人々に囲まれて妊娠力向上!?
「第二子どうする?」
まだ日本に住んでいた時、保育園に入れて一年を過ぎた頃のママ友たちとのホットな話題でした。病気オンパレードの息子の保育園生活を、仕事の有休と時短を駆使しながら、夫婦で、時には双方の親の手も借り、家族総出で乗り切りながら、「まだ考えたくない、でも考えなくちゃ…」の高齢出産組共通の悩み。
私も、一人と決めたわけではないけれど、第二子には足踏みしてしまう状況で、引っ越し時に赤ちゃんグッズはすべて実家に置いてきた程です。
ところがマレーシアに来てみると、「一人ぐらい増えてもなんとかなるさ~」と、今まで細かいことで悩んでいたことが嘘のように気にならなくなり、わずか数ヶ月後には妊娠。
上述の通り多民族国家なので民族によっても異なりますが、マレーシアでは5人、6人きょうだいも普通。子ども向けの施設も多く、レストランには必ずチャイルドシートがあり、共働きが多いので保育園も充実しています。そして何より子ども好きの大人が多い。息子を連れていると必ず声をかけられるどころか、思わず触ってきたり、遊んでくれる人までいます。そんな優しい視線に包まれて、私も子育ての緊張やストレスから解放されたのかもしれません。
そして驚くことに、長年授からなかった人も含め知人で妊娠する人が続出。一年中温暖な気候と、子どもにおおらかな環境がリラックス効果をもたらし、妊娠力アップをもたらすのかもしれません。
パイナップル・パパイヤはダメ。水泳はOK
医療レベルには定評があるクアラルンプールの総合病院
医療レベルには定評があるクアラルンプールの総合病院
でも、マレー系が多いカンポン(村)などに行くと、事情はまた異なるよう。ローカル向けの国立病院と、外国人が多く行く私立病院とでは医療サービスも出産費用も大きく違うのが特徴です。
日本と比べてまず驚いたのは、内診が少ないこと。私は現在妊娠7ヶ月目ですが、初回のみ内診があり、その後は超音波だけ。小さくてもくっきり見える超音波画像に驚く一方、本当に大丈夫かなと不安な点も。例えば尿検査も毎回あるわけではないし、血液検査の基本項目も、日本程多くはありません。
健診の様子。日本人妊婦も多く診るパンタイホスピタルのDr. Kiren
健診の様子。日本人妊婦も多く診るパンタイホスピタルのDr. Kiren
妊娠中、避けた方がよい食べ物は、南国らしくパイナップルにヤングパパイヤ。子宮収縮作用があるそうです。マレー系家族では伝統的に、結婚すると嫁にパイナップルやパパイヤは勧めないのだとか。運動についてはヨガや水泳は妊娠前期からOK。年間平均最高気温32度程度の常夏マレーシア。こんなに毎日暑いと、少しぐらい水泳してリフレッシュした方がよいのかもしれませんね。
2013年6月7日更新
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わだまきこ
トランスレーター/ライター
1977年静岡県生まれ。早稲田大学大学院(教育学)修了後、大手渉外法律事務所の秘書、翻訳会社勤務を経て、第一子出産を機にフリーランスで翻訳、執筆活動をスタート。2012年夏より夫の転勤に伴い、長男(しゅんたろう 3歳)、愛犬(はな6歳)と共に、マレーシア・クアラルンプール在住。マレーシア国立博物館日本語ボランティアガイド。現在、第二子妊娠中で現地にて出産予定。