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4回のいきみで、あっけないほどスルッと産まれました。
3190gの立派な男の子でした。 |
親子で最初の写真。 |
小児科の荻原先生が赤ちゃんの様子を確認。
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涙で実家のお母さんに電話報告。
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朝からずっとそばについていてくれた、広政助産婦さん。
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10月30日(月曜日)
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17時ちょとすぎ
★笑っていこう!
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赤ちゃんの頭が出たり引っ込んだりしています。いきむいくえさんに「上手、上手」と広政 助産婦さんが声をかけました。 「はいそこ(下腹)をにらみなさい」と、つい顔をそらして海老状の姿勢でいきみがちないくえさんに、小川先生は言います。いくえさんは、そのつど思い出したように、グッと顎を引いて下腹をにらみます。 次のいきみの間の、その瞬間。「痛くないときは、ニヤニヤしてるんだよ。力が抜けていいんだよ。いいか、赤ちゃんがでてきたら、赤ちゃんに笑ってあげるんだよ」と言う小川先生の励ましに、「ハーイ」と思いがけないほど元気で明るいいくえさんの返事が返ってきました。そしてすぐに冷静な表情にもどりました。 そばにいるトオルさんの顔が、ニヤニヤしています。「切開、入れさせてください」。会陰切開がされました。
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17時10分頃
★誕生!
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「痛いー」。絞り出すような小さな悲鳴を上げるいくえさん。「がんばれ」とトオルさんは、静かに声をかけます。 「出たー」と誰かの声がしました。赤ちゃんの頭がもう引っ込まなくなりました。「がんばれ」と言いながら、いくえさんの手をさするトオルさん。「あと1回しか吐いて吸ってしないよ。いいかい、あなたは2回目で完璧。自然の力にあわせるんだ」と言う小川先生の声とともに「体をまっすぐにしましょうね」と、広政助産婦さんの声。ずり落ちそうな体位を直してもらって吐いて、吸って…の合唱する声が分娩室に響きました。 赤ちゃんの頭が押し出され、そうして肩がスルッとでました。「でた!でた!信じられない!」冷静なトオルさんが声をあげました。 その瞬間、かわいい産声とともに3190gの赤ちゃんが誕生したのです。赤ちゃんとの初対面に、「なんだか、おじいさんみたい!」と、いくえさんは笑い声をたてました。 10月30日午後5時10分すぎ。無事赤ちゃんも生まれ、胎盤も出て、約14時間の、長い長い1日が終わりました。
「おめでとうございます」の合唱の中で、「たくさんいきまなくて、つまんなかった?」とあっけなく終わった分娩に、冗談を言う小川先生に、いくえさんはただただニコニコ高揚した顔で笑っていました。
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17時15分頃
★涙のいくえさん
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赤ちゃんは、小児科の荻原先生にすぐに様子を見てもらいました。「健康ですか?」と聞くいくえさん。「健康で元気で異常はないですよ」の答えに、いくえさんにようやく安堵の色がただよいました。 病院の粋な計らいで、いくえさんはさそっく実家に電話をしました。「もしもし、わたし。分娩台の上。聞こえる? 無事産まれた。健康そうで」。後は言葉になりません。電話の向こうのお母さんも泣いているようでした。
朝からずっといくえさんのそばについていた、広政助産婦さん。「ありがとう」といくえさん。「がんばりましね」と広政さん。
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