海の向こうを見渡してみれば、こんなに違う!妊娠、出産、育児事情。
各国で暮らす日本人ママのレポート!!
カナダ コミュニティで支え合う子育て(全4回更新)
Episode2 カナダの子育て事情
~母子の個性を認めて子育て支援~
母乳育児を推進
カナダでは妊娠中から、母乳での育児を勧められます。母乳育児を応援してくれる団体もありますし、妊娠中から、いかに母乳が赤ちゃんにとってベストな選択であるかをパンフレットや母親学級でも強調されます。日本に比べると母乳推進派の人が多いようですが、もちろん強制ではなく、逆に体質で、どうがんばっても母乳が出にくい、というお母さんには、自分を責めないで、粉ミルクを活用しましょう、という文化です。
私は幸い母乳の出には問題が無かったのですが、寝る時間を確保するため(笑)搾乳機が大活躍でした。プラスチックの母乳冷凍用パックが手軽に手に入りますので、まとめて冷凍できます。下の子が2ヶ月の時に女友達と泊まりがけで夫に子供を頼んでコンサートに行った時に大活躍でした。
赤ちゃんと一緒に取るクラス
私の住んでいる街には、赤ちゃんのいる生活を応援するお店があり、育児用品を売るだけでなく、マタニティや産後のヨガなど様々なクラスを提供しているので、しっかり利用させてもらいました。このような店がなくても、大抵のカナダのコミュニティセンターで同じようなクラスは提供されています。
子供が6ヶ月頃になったときは、ベビーマッサージのクラスに通いました。他のお母さん達と輪になって、それぞれ赤ちゃんを床に寝かせて、先生の指導のとおりマッサージをしていきます。赤ちゃんとのスキンシップもとれ、ママ友達もでき、ちょっとしたことを先生に相談することもできてとてもリラックスできました。マッサージは赤ちゃんの便秘を治したり、循環もよくなりリラックスして寝付きがよくなるなど、様々なメリットがあります。
もうひとつ、カナダで人気のあるクラスはベビーサインです。赤ちゃんとの手話のクラスで、まだ言葉を話せない1歳以下の赤ちゃんと「お腹すいた」「眠い」などのコミュニケーションを取るのに便利です。手話を覚えてしまうと、言葉の発達が遅れるのではと心配する人もいますが、サインをしながら赤ちゃんに常に話しかける、赤ちゃんが何か言いたそうな時は真剣に聞いてあげるなどすれば特に心配することはないとのことです。
離乳食は自宅で。カナダでは離乳食用の便利なツールも沢山売られています。
離乳食の時期になると、もちろんスーパーで色々な瓶詰めの離乳食が買えるのですが、私はほとんど利用しませんでした。果物や野菜をゆでてつぶしたり、週に一回ほどまとめて料理して冷凍していました。うちの子達は幸いアレルギーが無いので、ラッキーだったと言えるでしょう。
離乳食は自宅で。カナダでは離乳食用の便利なツールも沢山売られています。
それぞれにあったやり方の子育てを
ママと赤ちゃんのためのクラスでは、月齢の近いお友達も出来ました。
基本的に、ママのことも赤ちゃんの事も、それぞれの個性を認めて、自分にあうやり方での子育てを支援してくれるカナダの文化は新米ママにもやさしいなと感じました。
ママと赤ちゃんのためのクラスでは、月齢の近いお友達も出来ました。
2013年8月13日更新
ピアレスゆかり
1975年生まれ。長崎県佐世保市出身。97年にカナダ人と結婚し翌年カナダへ移住、以来ビクトリア在住15年。長男ダグラス(15)、次男ワイリー(4)の二児の母。離婚、再婚を経て、現在は留学エージェントの仕事のかたわら、ライター、ビデオブロガー、ソーシャルメディアコンサルタントとしても活動し、仕事と家庭の境目のない毎日。北米と日本をつなぐのが仕事。