海の向こうを見渡してみれば、こんなに違う!妊娠、出産、育児事情。
各国で暮らす日本人ママのレポート!!
カナダ コミュニティで支え合う子育て(全4回更新)
Episode1 カナダの出産事情
~まずはファミリードクターが妊娠判定~
カナダ、ビクトリア在住のピアレスゆかりです。ビクトリア は、カナダ最西端の州、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の州都で、バンクーバー島という島にあります。島というと、小さいイメージがありますが、バンクーバー島は九州よりも大きく、世界でもかなり大きめな島に入ります。ここに15年ほど前に引っ越して以来、ビクトリアの美しさに取り付かれ、すっかり居着いてしまいました。そんなに大きな街ではないところも、私にはあっているようです。
かかりつけ医から産科ドクターへ
カナダでは日本と違い、ありがたいことに各州の保険に入っていれば、出産は無料です。私には息子が2人いますが、長男は日本で出産しました。「次の子はきっとカナダで産む事になる」と思っていたので、典型的な、ホテルのような日本のマタニティクリニックで出産し、快適な思いをさせてもらいました。
次男は2008年にビクトリアの総合病院で出産しました。1週間くらいのんびりできた日本のクリニックとは違って、カナダの病院では「出産後数日で退院させられる」と聞いていたので、どんなに大変だろうかとドキドキしていたことも今になっては笑い話です。
カナダでは基本的に、「妊娠したかな?」と思った場合、まずドラッグストアに売っている妊娠検査キットを購入してテストします。陽性のサインが出たら、いきなり産科には行かず、まずは自分のファミリードクター、または最寄りのウォークインクリニックに行き、尿検査などで妊娠を確認してもらいます。
一般的に、保険を利用して無料で出産する場合、病院を選ぶ事は出来ませんが、マタニティドクターを選ぶ事は可能ですので、知り合いに評判などを聞いてみたり、ファミリードクターに紹介してもらったりして、産科のドクターを選びます。
私はネットで、新しい患者を受け入れているマタニティドクターを検索して(そういうサイトがあるのです)、うちから比較的近い場所にあるドクターに決めたのですが、私に似て、細かいことは気にしない、というおおらかな性格の女医さんで、とても相性のあう人でした。
お産のプロフェッショナルも様々
産科のドクター以外にも、カナダでは助産婦さん(ミッドワイフ)を利用する事も可能です。自宅出産を希望する人や、お産に関する不安が強くて沢山質問がある人などにはお勧めです。お医者さんではないので、母体や赤ちゃんに問題がある場合はドクターにバトンタッチしますが、健康な人のお産であれば赤ちゃんを取り上げてくれ、かつ産後6週間まで自宅に来てサポートもしてくれます。私は病院で産みましたが、今になって思えば、ミッドワイフにお願いすれば良かったかな、と思ったり…。
またミッドワイフ以外にもドゥーラという職業の人もいて、こちらは赤ちゃんを取り上げることは出来ませんが、妊婦さんのサポートに徹する人で、妊娠、お産に関する不安を取り除いてくれます。出産の介添え人、コーチといった感じでしょうか。
3D超音波写真が人気
日本では毎月ある超音波検査も、カナダでは1、2回しかありません。妊娠初期に予定日(予定日もカナダではしょっちゅう変わります)を決めるために超音波検査をすることもありますが、通常は18~20週目に一度受けるだけです。この時に性別を聞きたい人は教えてもらう事も出来ますし、写真ももらえます。私は確か初期の頃に、お腹が大きかったのでもしかしたら双子かも…の理由で一度超音波をやりました。エー、双子?とドキドキしましたが、一人でした。
最近では、有料で3Dの超音波検査をして写真を記念に購入する人も多いようです。お産を人生の大事なイベントとして記録しておきたい、という人が増えてきているようですね。
2013年8月2日更新
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ピアレスゆかり
1975年生まれ。長崎県佐世保市出身。97年にカナダ人と結婚し翌年カナダへ移住、以来ビクトリア在住15年。長男ダグラス(15)、次男ワイリー(4)の二児の母。離婚、再婚を経て、現在は留学エージェントの仕事のかたわら、ライター、ビデオブロガー、ソーシャルメディアコンサルタントとしても活動し、仕事と家庭の境目のない毎日。北米と日本をつなぐのが仕事。