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イギリス ロイヤルベビー誕生を控え出生率も上昇(全4回更新)

Episode3 パパの子育て事情

~首相も取る!!父親休暇~

60%の父親が取る育児休暇

共働きの家庭が多いイギリスでは、父親だってしっかりと子育てに従事します。そのためのサポート制度として、父親も育児休暇を取得することができます。基本的には2週間、母親が職場復帰する場合に限り、最大26週の有給育児休暇が認められています。2003年から始まったこの育休制度は、キャメロン首相や前ブレア首相が取ったことでも注目され、現在60%程度の男性が取得しているようです。

我が家でも、この父親休暇には大助かりでした。というのも、産後1週間ほどして、私が体調をこわし、3日ほど緊急入院しなければならなかったためです。夫が一人で3日3晩、産まれたばかりの息子の世話をしてくれました。授乳のため、面会時間にたびたび連れて来てくれましたが、夜は自宅で生後1週間の息子と二人きり。心配であまりよく眠れなかったと言っていました。

夫婦にとって大変な経験でしたが、退院してみると、おっかなびっくりの顔をしていた夫が、しっかりと父親の顔になっていて、意外な“怪我の功名”かもしれない、と思ったものです。体の中で赤ちゃんが育っていく様子を感じられる母親と違い、父親にとって親としての実感が生まれるのは、実際に赤ちゃんと接してから。だからこそ、この父親休暇はとても大切だと感じました。

家事と育児は分担して

イギリスの家庭で夫が家事に携わる時間は、平均2時間46分だそうです。料理は父親が、掃除や洗濯は母親がと、うまく家事を分担して切り盛りしています。

育児に関しても、お風呂や、寝る前の読み聞かせは父親が活躍する時間。「だらだらと仕事をして残業をするのは、能力が無い証拠」という考えが一般的であるイギリスでは、遅くまで仕事をすることも少なく、家族や子どもと過ごす時間を優先するライフスタイルが根付いているようです。

学校の送り迎えもパパの仕事

ロンドンの子どもたちは、一人で外を出歩ることが全くと言っていいほどありません。 安全のため、少なくとも小学校を卒業するまでは、親や保護者による送り迎えが義務となっています。

共働きがほとんどなので、学校に送っていくのはパパ、迎えにいくのはママなど、協力して時間をやりくりしています。ロンドンの朝を歩いてみると、ぱりっとスーツを着たパパたちが、スクールバッグを持った子どもの手を引いて、通勤しているところに必ず出くわします。

2013年5月10日更新

プロフィール

平川さやか

フリーライター/フォトグラファー/メディアコーディネーター。

1979 年、北海道札幌市生まれ。横浜山下町、写真スタジオ勤務を経て、2004年独立。2005年より英国へ移住し、ファッション、カルチャー、インテリア、旅、キッズの分野を中心に、コーディネート、取材、撮影、執筆活動に携わる。テレビ番組の撮影コーディネーションや同行通訳も致します。現在、夫と息子(虎男・5歳)と、白黒の猫(ニコン・9歳)と共にロンドン在住。

取材・撮影は体力と根性で、インタビューには人なつっこさと笑顔で。誠実に人と向かい合う取材を心がけています。

ウェブサイト:www.sayakahirakawa.com

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