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入院直後のいくえさんと夫のトオルさん。
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ナースステーションに置いてある分娩監視装置。
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点滴をつけたまま、今日初めてのトイレ。 |
陣痛が来ると顔をしかめて耐えるいくえさん。でも陣痛が去ると「お腹すいたあ」。
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静かに妻の手を握るトオルさん。言葉のいらない夫婦の絆を感じる瞬間です。
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10月30日(月曜日)
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午前3時30分
★いつ病院へ行けばいいの?
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土曜日におしるしがあったいくえさん。「産まれるのは日曜日だ」と確信。 そしてやっぱり日曜日の明け方。陣痛が1時間に6回くらいになり、でも「いつ病院へ行けばいいの?」と悩むいくえさん。だって初めてなんですから、こんな体験。 そのとき夫のトオルさんが、一言。「電話して聞いてみよう」。 午前3時30分、小川クリニックに入院。 夫婦の静かで長い10月30日が、こうして幕をあけました。
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午前5時〜午前10時30分頃
★帝王切開か?
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主治医の小川博康先生が胎児の様子を確認してみるとどうも胎児に元気がなく、このままでは帝王切開の可能性も考えられました。 「いつ産まれるの?」と聞くいくえさんに、小川先生は「まだわからない」と。いくえさんとトオルさんが少し落ち着いたところで、胎児が自分の体の重みで圧迫されているため、このままでは帝王切開の可能性もあるとの説明を小川先生はしました。 病態は無線で送られ、ナースステーションに置いてある分娩監視装置で胎児の動きと陣痛の様子を見ます。 手術の準備も同時に行われるあわただしい中で、いくえさんはなぜか、マタニティビクスのシーンをくり返し思い出していました。そうすると、気持ちが楽になったのです。 他の患者さんが朝食がすんでも、いくえさんは今後の様子を見るために、食事はお産が終わるまではとれないことになりました。定期的にやってくる陣痛が去ると、「おなかがグルグルなっている」と元気に笑います。この現金さがうれしい。まだ余裕のある時期でした。 9時頃。助産婦さんの広政さんに「おしっこ行きたいのでは?」と訊かれて、「はい!」と元気な返事のいくえさん。お産は出血や急変を必ず考えるため、万一のための血管確保のための点滴をつけたまま、今日初めてのトイレです。プラスチックの針なので、痛みもなく自由に歩けます。
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午前10時30分頃
★陣痛室にて
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朝の診察のあと「モニターや超音波で赤ちゃんをみました。これから子宮口を柔らかくして経膣分娩にトライして出産へとのぞみましょう」という力強い小川先生の言葉とともに、陣痛室に入ったいくえさん。 胎児が楽な状態になるために、ずっと左側を下にして横になった姿勢をとっていたのも効をなしたのか、このまま順調に行けば、自然に産まれる可能性が高くなってきました。
今日は会社を休んで、ほとんどいくえさんにつきっきりのトオルさん。定期的に訪れる陣痛に顔をゆがめる妻の手を、そっと握ります。いくえさんの陣痛を冷静に受け止め、あわてません。 その手をぎゅうと握り返し、陣痛の痛みをこらえるいくえさん。このころから、かなり陣痛が強まっているのでした。
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