海の向こうを見渡してみれば、こんなに違う!妊娠、出産、育児事情。
各国で暮らす日本人ママのレポート!!
イギリス 緊急レポート
祝・ロイヤルベビー誕生!!
「イッツ・ア・ボーイ!」
生まれる前から、世界で一番有名な赤ちゃんがついに誕生です。キャサリン妃とウィリアム王子が出産のため選んだのは、ダイアナ妃がウィリアムとハリーを出産したのと同じ、ロンドンのセントメアリー病院。約3,800グラムの元気な男の子が、7月22日の午後4時24分に生まれ、その後「ジョージ・アレクサンダー・ルイ」と名付けられたことが発表されました。翌日の23日には一晩で退院したキャサリン妃がジョージ王子をお披露目。出産に立ち会ったウィリアム王子は「とても感動的だった」とコメントしました。また記者への問いかけに対し「幸運なことにママ似だよ!」と笑顔で返す場面も。キャサリン妃も幸せいっぱいの顔で、「親になったことのある人なら誰しも分かると思いますが、特別な瞬間でした」と語ってくれました。
そして、この時キャサリン妃が着ていた水玉のワンピースがさっそく話題に。31年前に、ダイアナ妃がまさに同じ場所でベビー・ウィリアムをお披露目した際に着ていたグリーンの水玉ドレスを思わせる彼女のチョイスに、多くの人が感動したようです。これまでも、イギリスのデザイナーやブランドを応援してきた彼女のこのドレスは、英デザイナー「ジェニー・パッカム 」による一点モノ。これから各ハイストリートショップで、水玉ドレスがバカ売れするであろうことは言う間でもありません!
さらに、イギリスのママたちが好感を持ったのはキャサリン妃のぽっこりお腹。出産経験のある方ならば常識ですが、9ヶ月かけてゆっくりゆっくりと広がった子宮は、出産後すぐに元の大きさに戻ると言うことはあり得ません。けれど、そんな体型のことなどまったく気にするどころか、腹部のふくらみを隠そうともせずに、あるべき姿のままうれしそうにお披露目のためカメラの前に立ったキャサリン妃に、ママたちは喝采をおくりました。
王室史上初の子育て法
水玉ドレスでダイアナ妃に倣ったキャサリン妃ですが、子育てに関しても、様々な英国王室の通例を破った義母のやり方に従うのではと言われています。各メディアでは「自分たちの手で育てる」という意味の「ハンズ・オン」という言葉が多くみられ、お手伝いのスタッフも最小限に抑えられることになるようです。
お披露目の後、ウィリアム王子は自ら素早くベビーシートを車に取り付け、さらに家族を乗せた車を自分で運転してケンジントン宮殿へ戻る姿が全世界に放映され、こちらも話題になりました。ウィリアム王子は勤務先の英国空軍から、2週間の父親育児休暇を取得。現在、夫妻はバークシャー州、バックルバリーにあるキャサリン妃の実家に滞在しています。ご両親のサポートのもと、安心して子育てに奮闘していることでしょう。宮殿以外の子育ては王室史上初ということですが、家族の時間を大切に、そして我が子にできるだけ子どもらしい子ども時代をおくらせたいという、二人の願いが込められていることが伝わります。
ロンドン中がロイヤルベビー仕様に
さて、祝福ムードに湧くロンドン市内では、あちらこちらのお店のウィンドウがロイヤルベビー仕様になり、様々な記念アイテムが発売されています。老舗デパートのリバティでは、孫の誕生を喜ぶクィーンがにっこり。王室御用達のスーツケースブランド「グローブ・トロッター」からは、正統派の英国ホテル「ザ・ゴーリング」とのコラボレーションとして、キャサリン妃が結婚式前夜に宿泊した部屋で使用されているという、シルクの壁紙をライニングにあしらった「ロイヤルスイート」モデルを発表。もちろんベビー業界も戦々恐々。ジョージ王子のお披露目の際にくるまれていた「エイデンアンドアネイ」のおくるみが即完売してしまったというのだから、その経済効果は絶大です。「ひいおばあちゃんは女王様」と書かれた、キュートなカバーオールなども登場しています。
余談ですが毎度お騒がせのハリー王子は、叔父となった瞬間をロンドン市内にあるパブで友人たちとお祝い。後日マスコミに叔父としての自分の役割について聞かれると、「ジョージ王子が良い環境で安全に暮らせるよう心がけ、あとは彼が充分楽しめるようにすること」とコメントしました。さらには「兄さんが、僕のベビーシッター代がすごく高いってことを知っといてくれるといいんだけど」と初の叔父ジョークでおどけてみせたそうです。
王子誕生を祝う、さまざまなロイヤルアイテム。
左上から時計回りに
陶器の猫/ロイヤルキャッツコレクション
グローブトロッター/ロイヤルスイートコレクション
ビスケティア/ロイヤルベビービスケット
ミニロンドン手作りキット
2013年8月9日更新
平川さやか
フリーライター/フォトグラファー/メディアコーディネーター。
1979 年、北海道札幌市生まれ。横浜山下町、写真スタジオ勤務を経て、2004年独立。2005年より英国へ移住し、ファッション、カルチャー、インテリア、旅、キッズの分野を中心に、コーディネート、取材、撮影、執筆活動に携わる。テレビ番組の撮影コーディネーションや同行通訳も致します。現在、夫と息子(虎男・5歳)と、白黒の猫(ニコン・9歳)と共にロンドン在住。
取材・撮影は体力と根性で、インタビューには人なつっこさと笑顔で。誠実に人と向かい合う取材を心がけています。
ウェブサイト:www.sayakahirakawa.com