胎児の大きさ Q&A
Q5
妊娠34週で健診を受けてきたのですが、「胎児が小さくて、妊娠32週程度の大きさ」といわれてしまいました。2週間も発育が遅れているのは、どんなことが考えられるのでしょうか。
A
これは医師の解釈の仕方が間違っています。相談文には何gだったのか書かれていないので、はっきりと言えないのですが、恐らく何も問題ないはずです。
胎児発育曲線の34週頃の数値は、次のようになっています。
上限 | 下限 | |
---|---|---|
32週 0日 | 1,368g | 2,242g |
34週 0日 | 1,649g | 2,663g |
たとえば、34週で推定体重1800gだったと仮定しましょう。「胎児発育曲線」を見てみると、下限が1649gで上限が2663g。この間に入っていますから、何の問題もない数値です。
ところが、超音波機器の機種にもよりますが、1800gだと「32週●日」と表示されることがあります。妊娠32週は下限1368g、上限2242g、この二つを足して2で割ると1805g。つまり、32週の平均値だからです。
超音波機器の表示通りに受け取ると、まるで標準より2週分小さいかのように見えてしまうのですが、この平均値はあまり意味がありません。この数字は、妊娠週数がはっきりわかっていないときに、妊娠何週に相当するか、の参考にするための表示です。胎児の発育を判断するために使うのは、不適切なのです。
次回の健診で、もう一度、胎児推定体重を測ってもらい、その数値を胎児発育曲線と比べてみましょう。
(回答/産婦人科医 篠塚憲男先生)